トルコ語翻訳家のイスタンブル暮らし
トルコ・イスタンブール生活22年目、反抗期真っ盛り上の娘、生まれてからずっと反抗期の下の娘をかかえる働く母の日々の出来事や感じたことを綴ります。
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トルコ生活22年目の二人子持ちの翻訳家・通訳の日常生活と旅行の記録です。トルコ民家研究がライフワークです。



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2015トルコ総選挙、新しい時代の到来???
またまたすっかりご無沙汰してしまいました。
なんか書かなくなることが普通になってしまった。
仕事だけではなく家事や子育てにも追われているので。。。

それに、いろいろ書きたいことがあったのですが、
これまではうっかりしたことを書くと
何かされそうという怖さがありました。
90年代、PKKが猛威を振るっていた時代に
クルド人の肩を持つようなことを書くと、
しょっぴかれていた時代を彷彿とさせていました。

しかし今回の選挙の結果で、普通に戻れそうかな?
投票率85%と、
国民の関心が非常に高かったことがわかります。

トルコ全体では

AKP: 40.9% 258議席
CHP: 25% 132議席
MHP: 16.3% 80議席
HDP: 13.1% 80議席

と、議会は4党体制になりました。
AKPは258議席と過半数を超えず、
エルドアン大統領が主張している
トルコを大統領制するために行わなければならない
憲法改正に必要な過半数の議席を得られませんでした。

やはりここ数年で激しくなってきている、
大統領の攻撃的で抑圧的な恐怖政治が
よく思われなかったのでしょう。
だいたい無所属であるはずの大統領が
政治ばかりか司法もで操っている状態ってのは
どうなんでしょか。

2011年の前回の選挙からの変化は以下の通り。
    2011年  2015年
AKP 49.8%   40.9%  ‐8.9%
CHP 26.0%   25%   ‐1%
MHP 13%    16.3%  +3.3%
HDP 5.9% 13.1% +7.2%

AKPはアンカラ以外の県では前回を上回る票を集められず、
どの県でも支持を下げました。
特に南東部や東部では20%近くの票がHDPに流れました。
HDPはイスタンブルやイズミルなどの大都市でも、
AKPから票を奪いました。

secim5
地方別、AKPの集票数変化

secim1
地方別、HDPの集票数変化

今回の選挙は、クルド人を代表していたHDPが
全国平均で10%以上の票を集めて、
単独で議席を獲得できるかどうかが注目されていました。

ご存じない方に説明しますと、
トルコでは局地的にどんなに票を集めても、
全国平均で10%を超えないと議席がないという
制限があるのです。
10%を下回った場合は、せっかくの票も他の10%を超えた党に
わりふられてしまいます。
このため、2011年の総選挙では
現HDP議員たちは無所属で出馬していました。
無所属の場合は立候補した地区のみの票が数えられるからです。

今回初めて政党として、
どの党とも組まずに単独で参加したHDPです。

HDPは90年代にテロ活動を激化させた、
クルド人労働党PKKと関係を持つ、
2012年に結成された
政治的組織であるわけですが、
昨年もうひとつのクルド系政党BDPを合併し、
パワーアップしました。

党首のセラハッティン・デミルタシュ氏は、
1973年生まれでまだ42歳と大変若い。
アンカラ大学法学部卒の弁護士で、
「insan hakları derneği人権協会」での幹部を
務めていたこともあります。

PKKの長、オジャランが逮捕され、
イムラル島に拘束されてからは、
PKKの武装放棄を進めるため、
オジャランと連絡をとっていました。

PKKが奪った命の数は3万5千人とも言われ、
彼らのしたことは
決して許されることではありません。

しかしこのHDPのように、
武力ではなく、
政治的にクルド人の権利を守ろうという政党を認めなければ、
先に進むことはできないのではないでしょうか。

さらにはこのHDPは今、
クルド人だけではなく、
トルコで権利を主張できなかった弱者全体に
スポットを当てようとしています。

女性議員が80人の議員中38人と、
他の3党よりも群を抜いて多く、
アルメニア人やスルヤニ、
(日本ではシリア正教と呼ばれるキリスト教の一派)
スカーフをかぶった保守派の議員もいます。

secim3
HDPは党首をふたりにしています。
開票後に記者会見をするデミルタシュ氏と、もうひとりの党首、女性のユクセックダー氏。

選挙運動では「クルド人の党」という
イメージを一切出さず、
民族を超えた左派政党への
脱皮を図っていたように思います。

ミーティングに集まった支持者の中には、
トルコ国旗を掲げている人も出てきました。
いままででは有り得なかったことです。
これまではクルドを象徴する旗が
ひるがえっていましたから。

クルド人国民の中でも
何かが変化してきているのかな、
と思いました。

それと同時に、
クルド人以外の国民にも
変化が訪れているように思います。

デミルタシュ氏は開票直後に行ったスピーチで、
「預かり票があることはわかっています。
この票をくれた人々のことを忘れません」
と言っていました。
「預かり票」というのは、
10%を超えるために
最大野党であるCHPの支持者がHDPに入れた票のことです。

以前ではクルド人以外が
親クルド党に投票するなどということは、
考えられないことでした。

デミルタシュ氏の言葉を借りると、
HDPはクルド人の利益だけを考える党ではなく、
「トルコの政党」になったのかもしれません。

最初HDPを「PKKの延長」と考えていた人々も、
本当の和平のために彼らの力を必要としているのです。

さて、選挙が終わって各党の議席数が決まっても、
これから組閣作業が残っています。
AKPが単独政権をとるのに議席数が足りない限り、
政権にいたければどかかの党と連立しなければなりません。

HDPは最初からAKPとはやらないと言っています。
その他の党がどう出るか注目されています。

選挙前、AKPを倒すために
秘密の協力をしていた3党ですから、
選挙後も3党連立したらどうなのかなと思いますが、
トルコ民族主義を掲げるMHPはHDPと協力を拒否しています。
(オジャランの姪が当選していたりするから。。。
わたしも彼女を出すのはどうかと思いますけど)
それにしても3党連立どころか
2党連立でも長続きした試しがない。
昔の苦い記憶がよみがえってきます。。。

45日以内に組閣できなければ、
また選挙になってしまいます。

そうならないように、
イデオロギーは横に置いておいて、
実質的な協力体制をとってもらいたいな。

そうじゃないと、逆戻りかな。

しかし、2年前のGeziの抗議デモ以降、
トルコ語の言い回しで言うと
「もう矢は放たれた」
状態ではないのかなと思います。
あのときにデモに参加した若者たちは、
今有権者になっています。

AKPはエルドアン大統領が
自由にリモコン操作できる
機械であることをやめなければ、
後退は免れない。

AKPも岐路に立たされているんですね。
でも本人たちはわかってるのかな???


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オズゲジャン殺人事件に思うこと
ozge1

2月11日からメルスィン県タルスス郡で行方不明になっていた、
女子大生オズゲジャン・アスランさんが、
13日に焼死体で発見されました。

犯人はオズゲさんが乗ったミニバスの運転手でした。

供述では、
夜の8時ごろひとりで乗ってきて、
メルスィンへ急いでいたので、
他に客もいなかったので、
100TLで直接行こうと言ったら同意したにもかかわらず、
高速道路に乗ったら、
なぜ道を変えるのかと怒り、
持っていたトウガラシガスを撒いて殴ってきたので、
ナイフで刺した、ということでした。

遺体をどうしようか困ったので、
友人を呼び出しましたが、
そのときはまだ息があったのに、
首を刺してとどめを刺したと供述したようです。

乱闘の際に顔をひっかかれたので、
爪に自分のDNAが残っていると思い、
手首も切って、
ガソリンを撒いて焼いた。

ということです。

しかし、
死体遺棄を手伝った友人の供述とは食い違っていました。

レイプしようとして抵抗されたので殺したとも言われています。

女学生がそんなことでガスを撒くはずがないし、
ガスは危ない目に遭ったときのために
持っていたのだと思います。

この事件はトルコで大きく取り上げられ、
各地で抗議デモが行われました。
今日も続いています。

ozge2

ミニバスで最後ひとりになってしまって、
レイプされたという話はきいたことがあります。

そうでなくてもトルコではレイプは社会的に重罪と見られていない節があります。

というか、女性が非常に軽んじられている。

少女婚もいまだに続いているし、

毎日のように夫や恋人に殺されている女性がいます。

雪崩のように起こった抗議デモは、
「もういいかげんにしろ!」
のに表現です。

EUに準じるため、一度廃止された死刑制度を
復活させようという声も上がっています。

世界的な調査会社Biemetの調査によると、

2014年に男性に殺害された女性は281人に上っており、
前年に比べて3割も増加しています。

そのうち、夫や離婚した元夫に殺されたのが46%、恋人が10%でした。

また、刑事訴訟になったレイプが109件報告されています。
この数はほんの氷山の一角です。
レイプの犠牲者の3人に一人は12-17歳の少女たち。
13%がツーリストや移民、
恐ろしいことに4.5%が障害者です。

保護する人がいなかったり、言葉が不自由だったりする女性を狙う、
恐ろしく卑劣な行為です。

男性の暴力による傷害も報告されているだけで560件。

こういった犯罪を犯しても、数年で出てきてしまうのです。
最初は長い刑が下されても、
服役してからなぜが刑が「品行方正」が理由で割引されてしまうのです。
無期懲役になっても、10年やそこらで出てきてしまうことがあります。
「恩赦」が出たこともありました。
それで出てきた男はまた殺人やレイプをしました。

ディヤルバクルで日本人ツーリストをレイプ(未遂?)した犯人も、
公判中の真面目な態度、後悔しているなどの理由で、
たったの2年半の実刑判決、
しかも執行猶予つきで刑務所に入りませんでした。

妻に暴力をふるった夫も、
実刑判決を受けても5年は執行猶予がつきもので、
その間に殺してしまうことが多いのです。

近親者にレイプされ、それがばれると女性のほうが殺されてしまう、
というしきたりがまだ続いている地方もあります。

レイプされると、
「お前が誘ったんだろう」
と逆に責められたり、
「ミニスカートなんかはいてるからだ」
と、同じ女性なのに怒る女性もいます。

それでは女性はひとりで外を歩くな、
好きな恰好をするな、
ということです。

化粧をしたり、ミニスカートをはいている女性は
レイプしてもいい、
と思っている男性がいます。
というか、自分でも気づいてないかもしれませんが、
多くのトルコ人男性の潜在意識にあるような気がします。
(もちろん実際に行動に移す人はほとんどいませんが)

それに、私たち外国人女性。
守ってくれる家族がいない独身の外国人女性は、
恰好の標的です。
そういう女性にはハラスメントをしてもいい、
という潜在意識を持っているトルコ人男性が多いように思います。
夫がいるとわかったとたんに態度が変わる男性がいます。

ヨーロッパでは1度でも性的犯罪を犯した男性は、
刑期を終えても性欲をなくす薬を投与したりする
国があるそうです。

お願いだから、悪質な殺人犯には刑の割引をしたりして、
甘やかさないでもらいたいです。

政府に都合が悪い事件の裁判は、
事件が起こった地方から遠くの
場所の裁判所に移し、
何度も延期し、
世論から忘れられるように仕向ける。
それもいつもの手です。

ozge3
オズゲジャンのお父さんは「犯人の処罰は法に委ねます」と言っています。
いつも重犯罪者に刑の割引をしている
トルコの司法へ呼びかけているようにも聞こえます。
右は女性の駆け込み寺、「Mor Çatı」の会長。

トルコは寛容の国ですが、
ゆるしていことと悪いことがある。

そこのところをはき違えていると、
いつまでたっても先進的な立法国家にはなれないのでは?


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高谷一美さんのご冥福を心よりお祈り申し上げます。
トルコ在住の取材コーディネーター、
高谷一美さんが1月29日、
トルコとシリアの国境近くのアクチャカレで
「イスラム国」に捕らわれた人質の取材中に
交通事故に遭われ、
お亡くなりになりました。

私は彼女が独身の時からの知り合いでしたが、
最近はテレビなどメディアのお仕事が忙しく、
ほとんど会う機会がありませんでした。
それでも先月は補習校のお餅つきにもいらっしゃっていて
お見かけしたので、
そのあとすぐこんなことになって、
大ショックです。

ご主人もいつも一美さんのサポートをしてらして、
ご夫婦でとても息が合っているんだなあと思っていました。
残されたご家族のことを思うと、
いたたまれません。

昨日、イスタンブルでお別れ会がありましたが、
私は行くことができずとても心残りです。
日本の葬儀にも参列できませんが、
トルコが好きでずっとこちらにいらした彼女の魂は、
きっとトルコにも残っていると思います。

今回のことで、
人間いつ何時、何が起こるのかわからないと実感しました。
今生きていることに感謝し、
毎日を精一杯生きなければなりません。

一美さんのご冥福を心よりお祈り申し上げます。


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トルコの自然はどうなっちゃうんでしょうか
ものすごいご無沙汰してしまいました。
ご無沙汰している間に寒い雨の季節に突入しましたね。

さて、最近私が憂いているのは、トルコの

環境破壊

です。

海や山の自然だけでなく、農地も狙われています。
政府はこんな公共CMを放送しています。

オリーブ3
「農地を守りましょう! 農地に建築をしてはいけません!」

ところが言ってることとやってることが違う!

ときどきドゥズジェに行きますが、
行くたびにヘーゼルナッツ畑が宅地に変わっています。
自治体は建築許可を出してしまっているんですよね。
このことに関して苦情が出ていると自治体職員にもききました。

それについ先日のオリーブの木6000本伐採事件です!
あの301人が犠牲になった、
エーゲ地方マニサ県SOMA郡のYırca村のオリーブです。
オリーブ4

オリーブ1
木を切られて途方に暮れる村の人々です。

もともとオリーブ畑がある土地に、
石炭焚きの火力発電所を建設するという計画に、
なぜ許可が下りるのでしょうか?

どんどん発電所を作るために、
どんどん石炭を採らなければならない。
それを民間にやらせる。
しかも期限付きで、期限が切れたらまた入札。
だからあんな事故が何回も起きるんですね。

長い年月をかけて育てられたオリーブの木を、
たったの数時間で切り倒すのに、
建築主も、許可を出した方も、胸が痛まなかったのでしょうか?

トルコにはオリーブ政策はないのでしょうか?
農業政策がしっかりしておらず、
農家にも輸出できるくらい、世界のブランドになるくらい
よいものをつくろうという認識がない。
農薬も化学薬品もばんばん使ってしまう。
だから安くしか売れない。
 (といっても食卓に上るころには5倍くらいになってますけど?
販売をする企業が値段を買い叩いているからです。)

儲からないから畑を売ってしまえ。
という悪循環です。

一部の農家はオーガニックに切り替え、
ブランド化に成功していますが、
ほとんどがそうではありません。

畜産もだめになってきているし、
農産物など第一産業に対する政策が国民に伝わってきません。
耳にするのは新しい産業団地や技術開発のことばかり。
トルコは食物を100%自給自足しているのが自慢だったのに、
肉などはもう輸入するしかない段階にきています。
何しろ食べ物の値段が急騰しています。

マルマラ、エーゲ海沿岸が狙われています。
今度はバルケスィル県のバンドゥルマ市近くの
海沿いの広大なオリーブ畑が狙われているのです。
すでに近くに発電所が建てられています。
私のお気に入りの庶民的リゾート、
エルデッキのすぐ近くです。
野鳥の天国になっている湖もすぐそばにあります。
そのオリーブ畑に化学工場を集めた
産業団地を建設すると言うのです。
いくら排水を浄化して流すといっても、
生態系に何の影響も出ないとは言えません。

オリーブ2
バンドゥルマ医師会の有志の医師たちは抗議していますが、
何しろ聞く耳持ちませんから今のXXは。

老後はエルデッキに隠居しようと思っていたのに、
この調子ではトルコには隠居するような
環境の場所は残らないかもしれません。
ここはたまたまニュース番組で取り上げられたから
私たちが知ることとなりましたが、
他にも美しい自然をぶち壊して
工場が建てられていることろも多々あるでしょう。

この前仕事でたまたま2023年の共和国100周年までの目標を知りましたが、
その中には「原発を8基にする」というのがありました。

なぬ~~~!!!

ですね。

でも今のところ今の政権に代わるような人材はいないので、
力のない野党が合わさった連立政権になるよりは
安定しているから経済には確かにいいと思います。
とにかく今の政権でもしょうがないですけど、
環境のことには目を覚ましてもらいたいものです。
一度ぶち壊すと、元には戻せないのですから。
経済成長を数字だけで測るのはもうやめてほしい。

自然保護と国民の教養。

これが先進国のバロメーターですよね。
最近日本企業が急激にトルコに進出していますが、
その辺を啓蒙するのも日本の役割と思います。


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SOMAの後、何が変わったんでしょうか?
共和国記念日である10月29日の前日に、また炭鉱事故が起こりましたね。
カラマン県のErmenekというところです。
今年5月のSOMAの炭鉱事故からまだ半年も経っていません。
SOMAの事故は火災が原因でしたが、
今回のErmenekでは、近隣にあった昔の炭坑に溜まっていた水が
採掘中の炭坑にあふれ出たことによるものです。
いまだに18人が閉じ込められたままで、生死が確認されていません。

SOMAの事故が起きる前から、炭鉱の危険性を指摘し、
改善を訴えていたCHPマニッサ選出議員のオズギュル・オゼル氏が
テレビ出演して言っていました。
SOMAの事故の後、政府は16条からなる新法を
10日間でつくると言っていましたが、
結局全面改正することになって9月に160条からなる新法を打ち出しました。
遺族への補償、炭鉱労働者の労働条件の改善、労働安全基準の改正という
三本柱からなるもので、遺族への補償は8割がた実現し、
労働条件は7,5時間労働が6時間に、酸素マスク携帯の徹底(つか、
これは前から本当は義務なんでしたよね)とここまではいいですが、
(これもすぐではなくて来年1月1日から施行だそうですけど)
労働安全に関する改善は見られないのだそうです。

özgür özel
Özgür Özel市は74年生まれと若いんですよね。

だいたいトルコの炭鉱は19世紀から発展していないような有様で、
事故が起こった炭鉱にはエレベーターさえなく、
300メートル以上もの深さの竪穴に木の梯子で降りていくといった有様。
最低賃金の1.5倍の給与を出す代わりに、
昼食の配給と仕事場へのサービスバスを廃止したそうですから、
これも法律違反ですね。
旧法さえも順守していなかったわけですね。
しかも労働者はもう3か月も給料を受け取っていなかったそうです。
抗議のため多くの労働者が炭坑へ降りることをボイコットしていましたが、
事故のあった日に働きに降りて行った人々は、
借金があって仕事がなくなると困る人たちだったそうです。

トルコではいくら法律をつくっても、
監査もなく、違反しても罰金などで済んでしまうため、
守られていないことが多いです。
だから悪徳雇用主はやりたい放題です。
だいたい1980年の自由市場経済導入から、
世界市場で競争していくために安い労働力を確保することと、
悪徳雇用主の利益欲が合致したため、
いまだに産業革命当時のような
奴隷に等しい労働者を生み出している状況です。

そこに政府のエネルギー政策です。
とにかくエネルギーを確保しなくてはならない。
炭鉱も昔はほとんど国営でしたが、
今は80%私営化されています。
私営化と言っても完全に民間のものではなく、
トルコでは鉱床は国のものですから、
採掘権を渡して掘らせ、出た鉱物を政府が買い取る
といったシステムをとっています。
とにかく採れるだけ採ってこっちによこせ、というわけです。
しかし政府の買取条件を満たすのに、
規則をすべて守っていたら
とても利益は上げられないといいます。
だからまともな実業家だったら最初から
この仕事に入らないそうです。
ですからこの10年ほどで新たにこの業界に入った会社は、
うさんくさいところばかりらしいです。

SOMAで301人の犠牲者を出したSOMA Holdingのオーナーは、
Amasyaで別の炭鉱の採掘権を落札したとききました。
この人はまだ捕まっていないんでしょうか?
何でこの仕事を続けてられるんでしょうか。
あの事故の責任者はどうなっちゃったんでしょうか???

あの事故からこの10月までにさらに31人が
各地の炭鉱で犠牲になっています。
今回の事故も、SOMAの事故が起きたときとそっくりの状況です。
石炭が熱くなってガスが出ているのが数日前からわかっていたのに、
何もしなかったので火災が起きました。
今回も、水が漏れているのがわかっていたのに、
何もしなかったのです。
だいたい閉鎖された古い炭鉱がすぐ近くにあるのに、
そこに水がたまっていることが調査でわかっているのに、
ここを掘る許可がなんで下りたんでしょうか。
3か月前に監査があったそうですが、
不備に対しては罰金が科せられただけで、
営業停止になっていません。
だいたいそこにない設備は
監査の時だけ別の炭鉱から持ってくるというし、
監査官は炭坑の中に降りないと言いますから、
意味がありません。

トルコでは毎日いろんな条令や規則ができています。
毎日ニュースで報じられています。
「卵は冷蔵庫に保管して売らなければならなくなった」
「パンは袋に入れて売らなければならなくなった」
「タクシーでタバコを吸ってはいけなくなった」
これらのひとつも守られていません。
守られているのは、
「小売商店でアルコール類をウィンドーに飾ったり、
看板にアルコール製品の名前を出してはいけない」
という規則だけです。

変わっていくのは法律だけで、実際の状況は変わらないことが多い。
SOMAの後、実際に変わったものは何もないんです。
来年から規則が労働条件を改善しても、
悪徳雇用主は守らないでしょう。

国会は新しい法律をつくるより、
今ある法律を守らせることに力を注いだ方がよいのでは?


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